TOMPKINSブログ

時計を比べよう その3

TOMPKINS 水戸
こんにちは、TOMPKINS水戸の大橋です

さて、皆さんご存じのとおり6月も下旬になってきました
6月は30日までしかないですから、翌月になったら腕時計のカレンダーを調整するというのはお馴染みの儀式になっている方も多いでしょう(私もそう)

しかしそのような暦のズレをカウントしてくれるスグレモノがあります

今日は奥深いコンプリケーション・ウォッチ(=複雑時計)の世界をご案内しましょう・・・



その① OMEGA シーマスター アニュアルカレンダー

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アニュアルカレンダーとは日本語では年次カレンダーとも呼ばれる機能で、一年に一回3月1日だけ日付の調整が必要なカレンダーがついている時計の呼び名です。

つまり、一年のうち1月、3月、5月、7月、8月、10月、12月は31日まで表示しますが、4月、6月、9月、11月は30日までを表示し、翌月1日はズレないカレンダーを装備しているのです

2月だけは他の月と比べて変則的な28日間なので自分で調整が必要ですが、それでも年に1回だけですからとても便利です

口で言うのは簡単でも機械内部はとても部品数が多く緻密です
しかしながらそれを感じさせないシンプルな文字盤がニクい時計です



その② BREITLING トランスオーシャン クロノグラフ1461

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月、日、曜日、月齢の表示にクロノグラフ。もう見た目も明らかにコテコテの複雑時計という感じですね

先ほどのアニュアルカレンダーをさらに進化させたのがこのセミパーペチュアルカレンダーという機能で、2月の28日間もカウントしてくれるおかげで使用者は一年中カレンダー修正の必要がありません

例外は4年に一度、閏年だけは2月が29日間になってしまうので3月1日に日付の調整が必要になります

モデル名につく1461とは?

365日+365日+365日+366日(閏年で1日多い)=1461

という由来です。
1461日に1回だけ直してねって意味でしょう



その③ IWC ポルトギーゼ パーペチュアル カレンダー

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いよいよ登場、日付表示の王様パーペチュアルカレンダー=永久カレンダーです

はやる気持ちを抑えてここで私たちが普段何気無く使用している暦についておさらいしておきましょう

現在世界各地で使われている暦は16世紀に定められたグレゴリオ暦と言われるもので、一年を365日としながら4年間で生じる一日分の誤差を閏年に修正するというものです。

また、この方法で閏年を4年に一度実施し続けていくと100年後に一日分の誤差が出てしまうので、100で割り切れる年を例外で閏年としない(2月を28日までとする)ルールになっていますが、さらなる例外として400で割り切れる年は閏年にします。

つまり2100年、2200年、2300年は閏年とせず、2400年は閏年、ということになります。


なんだかとってもややこしい話になりました
とにかくこの方法でカウントすることで数千年後でも日付のズレがほとんど無くなるのです
(ちなみに16世紀から閏年を置かずに一年365日を繰り返していたら500年後の現在は6月でも日本は冬になっています)

コンピューターのない500年前にこれだけ精度の高い暦を作った天文学者や数学者たちには驚かされますが、そんな変則的なグレゴリオ暦に対応する時計がパーペチュアルカレンダーなのです

4年に一度の閏年もしっかりカウントしますから、次に手動で日付を修正するのは2100年の3月1日
そんな仕組みが電子回路ではなく歯車やバネなどの部品だけでプログラミングされているなんて信じられない
これぞ正真正銘のコンプリケーションと言えるでしょう

ちなみにこのポルトギーゼにはその他メーカーのパーペチュアルカレンダーにはない特徴がいくつかありますが、ここまでで随分長文になってしまいましたからその点については大橋次回のブログに筆を譲ります

それでは残り少ない6月も頑張っていきましょう