TOMPKINSブログ

100年デザイン

TOMPKINS 水戸

皆さんこんにちは、連日登場の大橋です

当ブログでも数々の時計を紹介していますが、本日は腕時計の歴史において最も古いもののひとつについてお話ししたいと思います。

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  時は今から遡ること110年。
  一人の飛行家が友人に飛行中でも時間を容易に確認できる時計の製作を依頼しました。

  当時は腕時計と言えば女性がアクセサリーとして着用する小型の物しかなく、紳士の時計はもっぱら懐中時計と相場が決まっていました。

  飛行中にその経過時間を把握することは必要ですが、飛行機の舵を取りながら悠長に懐中時計を取り出すことなんて出来るわけがありません。

  『あぁ、腕に巻いておける時計があれば…そうだ!あいつに相談してみるか

  とまで言ったかどうかは定かではありませんが、その飛行家の名前がアルベルト・サントス-デュモン。母国ブラジルでは空港の名前になるほどの英雄です。

  そして腕時計製作を請け負った友人の名前こそ宝石商カルティエの3代目であるルイ・カルティエでした。

この腕時計は依頼者の名前をとって“サントス”と名付けられましたが、誕生から100年以上経ってもメゾンの代表的なシリーズとして今も作られ続けています

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写真のモデルは1904年の誕生から100年を記念して発表されたサントス100(ワンハンドレッド)です

シルバーカラーの文字盤に重厚感あるローマ数字インデックス、リューズに付けられた青い石、八つのネジを配したベゼルなどが100年前と変わらずに受け継がれていますが、品格はそのままに時代にマッチしたボリュームある仕上がりになっていますね

こちらのサントスやそれに続くタンクシリーズなど、カルティエの時計にはラウンド(=円)以外のフォルムを持ったものが少なくありません 。
それは懐中時計が主流であった19世紀末から20世紀へ移る中で、新しい時代を切り開こうとするルイ・カルティエの強い意志が旧来になかったデザイン、例えばサントスに代表される角形へと結実したのではないか、と考えています。

いつの日も女性を惹きつけて止まないカルティエですが、ジュエリーブランドというイメージに反して男性用の腕時計だけでも100年以上の歴史があります。
歴史に敬意を払いながら常に新しいものへと挑戦をし続ける、そんな男性にこそカルティエの時計は相応しいと思います

少し堅くなりましたが、今回紹介した以外にもカルティエならではのクリエイションが感じられる時計が取り揃えてありますので、是非店頭でその洗練された世界観に浸ってみてください