こんにちは、TOMPKINS水戸の大橋です

台風シーズンも本格化してきて、一雨ごとに今年の夏も終わりに近づいていく感があります
今年は新型コロナの影響で夏らしい様々なイベントを我慢された方も多いと思いますが、来年こそは夏らしいことをしっかり楽しみたいですね

さて、本日は前回のブログからスタートした新企画の第2回となります

二文字目「ろ」で始まるキーワードは、、、


 " ロングパワーリザーブ " です

いくつか機械式時計を比較していると必ずと言って良いほどスペック表で目にすることになるのがこの "パワーリザーブ" なる単語
動力のゼンマイが100％巻き上げられた際に最大何時間動き続けるかを示していますが、現時点でロングパワーリザーブと呼ばれるには最低３日間以上の持続時間が必要でしょう

ちなみにパワーリザーブが長くなることにはふたつのメリットがあり、ひとつは単純に次の着用時まで止まりづらくなり、時間合わせの手間が省けるということ
もうひとつは安定して歯車に力を伝達できる時間が延びることで時間の正確さの追求において有利になることです


今でこそ当たり前になった3日以上のロングパワーリザーブ機ですが、1990年代までは男性向けの比較的大きいムーブメントでもパワーリザーブ40時間前後のものが主流でした
それが2000年代に入り、腕時計の大型化とムーブメントの自社設計・製造の流れが重なった結果、開発力のあるメーカーは時代にマッチした最新の機械にそれまで以上の持続時間を与えることで更に時計ファンの心を掴もうとしたのです

思い返すと2000年前後という時期は携帯電話が普及し、日本では電波時計も広まり始めた頃です
機械式時計もそれまでとは違った付加価値をアピールしないと説得力を持った嗜好品として生き残っていけないという危機感がスイス時計業界全体で共有されていて、その答えのひとつが時計のロングパワーリザーブ化だったのかもしれません


歴史的背景はそのようなところですが、以下はTOMPKINS水戸でご覧いただけるロングパワーリザーブが特徴のムーブメント一例です






2000年発表
IWC　Cal.5000（現在はCal.52000系へ進化）
自動巻き、パワーリザーブ７日間






2005年発表
PANERAI　Cal.P.2002
手巻き、パワーリザーブ８日間、GMT機能






2009年発表
BREITLING　Cal.01
自動巻きクロノグラフ、パワーリザーブ70時間（＝約３日間）






2017年発表
TAG HEUER　Cal.ホイヤー02
自動巻きクロノグラフ、パワーリザーブ80時間


持続時間の違いに加え、機能的にもシンプルなものからクロノグラフまで、その選択肢も多岐にわたりますね

ロングパワーリザーブの時計が開発され始めておよそ20年、以前はゼンマイを複数搭載することや通常より長いゼンマイを搭載することが一般的でしたが、最近はシリコンなどの軽量な素材を歯車に用いることで伝達効率を上げ、節約したパワー分で持続時間を延ばす技術も広まってきました

腕時計は装飾品ですからデザインが最重要項目であることに異論ありませんが、合わせてパワーリザーブの長さにも注目することで進化し続けている機械式時計の “ 今 ” を体感していただけると思いますよ




TOMPKINS水戸では感染症拡大予防のための取り組みとして、これまでもご入店のお客様へマスクの着用、手指消毒、社会的距離保持のお願いをして参りましたが、この度それらに加えてお客様入店時の検温を行い、更に安心してご来店いただける環境づくりを目指すこととなりました。

店内入り口にてスタッフが非接触型体温計にて検温をさせていただいておりますので、検査実施へのご協力をどうぞ宜しくお願いいたします。