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時計選びのヒント「れ」

TOMPKINS 水戸
本日は1月25日、日本最低気温の日という記念日のようです

今から120年ほど前の今日、北海道の旭川で最低気温-41℃を記録したことに由来するとのこと

最低気温自体よりそこで人が暮らしていたことに驚いてしまいますね



今回の時計選びのヒント「れ」のキーワードは

“ レイルウェイ ” です


レイルウェイは「鉄道」を表す英単語ですが、時計の場合にはその名の通り線路のようなデザインの目盛りのことを言います

古くは懐中時計の時代から文字盤のデザインとして用いられていたことに加え、腕時計の場合にも20世紀前半に生まれた時計によく見られる特徴のため、レイルウェイ=クラシックな時計という図式がほぼ成り立っているようです

ということで今回はレイルウェイ目盛りが特徴的な時計をご紹介します



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CARTIER
サントス ドゥ カルティエ LM

品番 : W2SA0009


自動巻き、スティール×イエローゴールド、ケースヨコ39.8mm、10気圧防水


前回のブログで紹介したタンクの多くと同様に、カルティエが最初にデザインした腕時計とされるサントスにも採用されているのがレイルウェイ目盛りです

印象的な太めのローマ数字とバランスを取るために一役買っているように思えますが、文字盤外周ではなく内寄りに配置されることで独特の緊張感が生まれています

ブルーの剣型針とカボション付リューズ、ローマ数字が描かれた白文字盤と合わせて用いられるレイルウェイ目盛りはサントス以降も現在に至るまで繰り返し登場し、カルティエの腕時計のお約束ごとのひとつとして世界中のファンに認知されることになりました



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IWC
ポルトギーゼ・オートマティック

品番 : IW500705


自動巻き、ステンレススティール、ケース径42.3mm、3気圧防水


ポルトギーゼシリーズでは昨年数多くの新作が発表され、あらためてブランドの屋台骨としての存在感が増していますが、シリーズの大事な個性のひとつとしてシェマンドフェール(フランス語でレイルウェイの意)が原型とされる1930年代のデザインから受け継がれています

生真面目なこのブランドらしく分針の先は目盛りにしっかり届いていて、大型の文字盤を最大限に活かした高い視認性が魅力です

小ぶりで端正なアラビア数字をアプライド(=植字)でセットしたおかげか、クラシカルなだけでなくモダンにも見えてくるのがポルトギーゼが長い間人気を保っている秘密なのでしょう



紹介したレイルウェイ目盛りはその長い歴史からドレスウォッチに多いデザイン要素のため、どちらかというと時計を固い印象にしがちかも知れませんが、裏を返すと時計に正統派で品格のある表情を求める場合は要注目のポイントとなりますね