本日は祝日と週末に挟まれた平日です

カレンダー通りの方は今日一日分だけ気持ちのゼンマイをしっかり巻いて仕事を頑張りましょう


本日は時計選びのヒント第19回「つ」でございます

今回選んだキーワードは

“ ツールウォッチ ” です


第１回で紹介したキーワードのように、時計好きの間では同じ傾向をもった時計群をカテゴライズして〇〇ウォッチと呼ぶことがあり、名前の通り道具としての実用度の高さに主眼を置いて作られた時計は特にツールウォッチと呼ばれています

もちろんほとんどの時計がある特定のシーンで実用に向くものと想定されてデザイン・製造されているのですが、その中でも装飾品としての華やかさを廃したストイックな姿勢が感じられるものがそれに値するようです

話だけだとちょっと抽象的なので、ここでツールウォッチの条件を幾つか挙げていくと、

・一定以上の防水性能
・高い視認性
・艶を抑えた表面加工
・安定感あるムーブメント

などが挙げられます

次に実際のツールウォッチの例を見ていきましょう




TAG Heuer
アクアレーサー　バンフォード　リミテッドエディション

品番 : WAY208F.BF0638


自動巻き、ケース径43mm、チタン、300m防水、1500本限定

限定品として昨年発表されたカスタマイズブランド “バンフォード” とのコラボレーションモデルはレギュラーシリーズにはないサンドブラスト仕上げしたチタンケースが採用され、手になじむ工具のように鈍い光を放ちます
マットな時計全体の中で鮮やかなオレンジカラーが効いていますね





IWC
パイロット・ウォッチ・オートマティック 36

品番 : IW324010


自動巻き、ケース径36mm、ステンレススティール、6気圧防水

ヘアライン仕上げのケースとブレスレット、必要充分な防水性能と耐磁性能、アラビア数字インデックスの圧倒的な視認性という特徴を持ったパイロットウォッチは、典型的なツールウォッチと言えます
あえて小振りな36mmサイズを選ぶのもセンスある大人として良い選択肢でしょう





BREITLING
アベンジャー クロノグラフ 43

品番 : A13385101B1A1


自動巻き、ケース径43mm、ステンレススチール、300m防水

ポリッシュされた輝きのあるステンレススチールの印象が強い同社ですが、現在のアベンジャーシリーズでは一転してマットで武骨な印象に仕上げています
スリップ防止パターンがついたリューズやプッシュボタンに実用を重視する製品哲学が垣間見えますね


以上、いずれも甲乙付けがたい優秀なツールウォッチたちでした

しばらく前から実用品としての腕時計の役目は終わったという意見が当たり前のように聞かれることが増えていて、一般的な意味ではそれに同意せざるを得ません
しかしその一方で、最新のガジェットは便利ではあるものの使う側の意図を超えて我々をコントロールし始めているような気さえします

腕時計のあり方が問われている今だからこそ、持ち主の腕の上でただ愚直に時を刻み続ける道具としての時計＝ツールウォッチを使うことは、ヒトとモノの関係を見直すきっかけになるのではないでしょうか


　　▼▼▼以下、大切なお知らせです▼▼▼