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時計選びのヒント「ね」

TOMPKINS 水戸
日中は気温も上がる日も増えて春もそこまで来ている感じがします

花粉症もシーズン本番ですが、目・鼻・喉をいたわって過ごしていきましょう


本日の時計選びのヒント「ね」に選んだキーワードは

“ 値段のワケ ” です


腕の上で時間を知らせるという同じひとつの目的のために作られながら、安いものは数千円から果ては数億円までと、異様なまでに価格の幅が広いのが腕時計の世界です

今回は時計の値段を決める要素をあらためて振り返ってみたいと思います


その①:使われる素材や材質
一般的なステンレススティールに比べ、ゴールドやプラチナなどの貴金属は素材自体が高価であり、チタンやセラミックなどの新素材は加工にノウハウが必要でコスト高になります
また、外装にセッティングされるダイヤモンドなどの貴石も当然時計の価値(=価格)を上げることになります
加えて近年は性能向上のためムーブメント内にシリコンなど特殊な素材を用いる例も増えていますね


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オメガの最新キャリバーはシリコンや独自素材のニヴァガウスなどを用いることで驚異の耐磁性能を持ちます昔より高額なものは増えましたが、性能向上による恩恵は余りあるでしょう


その②:複雑機能(コンプリケーション)
時刻表示以外の追加機能はその複雑さに応じて時計の値段に大きな影響を与えていきます
特に永久カレンダー、トゥールビヨン、ミニッツリピーター、スプリットセコンドクロノグラフは4大コンプリケーションと言われ、ひとつ搭載されるだけでも自動車が買えるほどの値段になる場合がほとんどです


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憧れる方の多いIWCの永久カレンダー。複雑時計ながらリューズひとつで日付合わせが可能な点がユーザーにとってありがたいです


その③:手作業での仕上げ
値段に応じて腕時計が実用品から芸術品に変化していくのであれば、そこにどの程度の仕上げが施されているかどうかが見極めるべきポイントです
全くの無仕上げから機械での仕上げ、最上級の手作業での仕上げになるにつれて時計の表情は増し、感覚に訴える工芸品となります
文字盤、針、ケースも大事なポイントですが、なんと言ってもムーブメントに施される様々な伝統的な仕上げは眺めていて飽きることがなく、世界中の人を腕時計の虜にしています


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シャネルのキャリバー1はブラックコーティングのためモダンな印象が強いですが、実は歯車やネジまで手仕上げが行き届いていてスイスでもトップクオリティの職人技が愉しめます


その④:希少性
基本的には生産本数が少ない時計ほど一本あたりの製造原価は上がります
逆に大量生産されているものは同じ性能でも割安になるはずですが、時計の持ち主としては生産数が限られている場合のほうが高い満足度に繋がりやすく、ジレンマを抱えることになります


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パネライは全てのモデルにおいて年間生産本数を限定することでブランドの価値を安定させています。多機能なムーブメントも多く、製造の少ないモデルは自然と高額になります。。。


以上が時計の値段設定の際に重要となる主な要素でした

ここ数年は腕時計への投機熱が高まり、高い資産性をもつことを正義とする傾向が世界的に強まっています
資産性も時計の大きな魅力であるとは言え、時計選びの基準を外部でなく自分の中にしっかり持ちたいという方は今回挙げた項目を意識して様々な時計を手にとっていただけると自分だけの理想の時計に近づいていけると思いますよ