TOMPKINSブログ

時計選びのヒント「こ」

TOMPKINS 水戸

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本日で6月も最終日ですね

来月のTOMPKINS水戸はイベント盛りだくさんなので皆さんどうぞお楽しみに


今回の時計選びのヒント「こ」

“ コート・ド・ジュネーブ ” です


時計のムーブメントの装飾技法として有名なコート・ド・ジュネーブ〈 cotes de geneve 〉は、主に歯車を固定するために覆い被さるパーツであるブリッジや自動巻のローターなどに施されます

フランス語のcoteには海岸という意味がありますが、ジュネーブにある湖の湖岸に打ち寄せるさざ波のように見えることからその名がついたようですね


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写真のIWC ポートフィノ・ハンドワインドはコート・ド・ジュネーブのいい例です

波どうしの間隔は狭く、全体に装飾を施すには時間がかかることが想像できますが、隣り合ったブリッジでも波模様のズレがなく繋がって見えるのも大事なポイントです



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こちらはオメガのトレゾア マスター クロノメーター

一般的なコート・ド・ジュネーブは平行に模様を重ねていきますが、オメガでは“アラベスク調のコート・ド・ジュネーブ”と銘打って、ムーブメント中心からカーブさせた放射状の装飾を施しています



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ちなみにコート・ド・ジュネーブが用いられないブランドの有名な例はパネライでしょう

ご覧のとおりブリッジ全体にヘアライン加工を施してあえてモダンな印象にしています

表面はシンプルになっている一方で、ブリッジの隙間から見えるムーブメントの底の部分をよく見るとコート・ド・ジュネーブ同様に有名な装飾である “ペルラージュ” が細かい間隔で施されており、決して作業工程を省くためにヘアラインを選んだわけでないことが分かりますね



機械式時計は価格帯に関わらず裏蓋のサファイアクリスタルを通してムーブメントを鑑賞できる時計が数多く存在します

機械式時計の魂とも言えるムーブメントは価格によって機能面と同等かそれ以上に装飾のレベルが大きく変わっていくので、ムーブメントにもこだわりを持って時計を探したいという方は各ブランドのコート・ド・ジュネーブの仕上がりにも注目下さい