時計選びのヒント「さ」
さて、時計選びのヒント38文字目は「さ」となります
今回のキーワードには“ サステイナブル ” を選びました
持続可能性の意味を持つこのフレーズ自体はずいぶん昔から用いられていましたが、ここ数年は世界的に様々な分野でその重要性が叫ばれている状況です
時計業界も例外ではなく、ブランドがサステイナブルをどのように捉えているかに注目が集まっており、各社は積極的なアプローチを始めています
ということで、今回はサステイナビリティに力を入れているブランドとその取り組みを紹介していきましょう
その①:BREITLINGとサステイナブル
ブライトリングは世界的サーファーであるケリー・スレーターも設立に携わったサステイナブルウェアブランド “アウターノウン” とのコラボレーションを通して海洋環境の保護に取り組んでいます
海で回収されたナイロン廃棄物を再利用したECONYLⓇストラップをラインアップするほか、時計購入時にはペットボトルをリサイクルした素材から作られた環境負荷の低い折りたたみ式ウォッチボックスを選べるようになりました
100%再生素材のみで作られたボックスは折りたたむことで一度により多くの数を輸送できるようになり、単位あたりのCO2排出量は大幅に軽減されることになります
その②:CARTIERとサステイナブル
数多くの2021年の新作モデルの中でも極めて驚きを持って迎えられたのが、カルティエが太陽電池搭載のタンクマストを発表したことでしょう
この時計は再生エネルギーで駆動するだけでなくリンゴの生産時に生じる廃棄物を再利用した植物性ストラップが組み合わせてあり、今後もその他シリーズに広がりを見せるのか注目の新技術となります
開発に2年を要した「ソーラービート」ムーブメントは、文字盤のローマ数字部分から光エネルギーを得て発電します
ムーブメントの耐久年数も約16年となり、クオーツムーブメントといえども進化していることが分かりますね
その③:IWCとサステイナブル
水力発電で稼働する工場で創業したというまさにサステイナビリティを重視する企業風土のあるIWCは、近年も再生エネルギーを利用する新工場の竣工やプラスチック使用を90%減らしたウォッチボックスの採用など環境保護に力を注いでいます
2021年には紙をベースとした環境負荷の低いストラップ “ TimberTex ” も開発し、社会貢献の面でも時計業界をリードする姿勢は現在も変わりません
新ストラップのTimberTexは厳密な管理体制下にあるヨーロッパの木材から作られる紙素材をベースとしていて、不揃いの肌理が特徴の表情あるストラップです
以前より多くのブランドがCSR(=企業の社会的責任)を果たすため様々な活動をしていましたが、現在では今回紹介した3社のように商品やボックスなど消費者の目に見えるかたちでサステイナブルを追求していることを表現するようになりました
高級時計はただ時間を見るために着けているわけではなく、使用者の感情に訴えるところがその本質です
だからこそ、着けていて満足感を高めるようなサステイナブルに考慮されたブランド・商品であることが今後も一層大切になっていくのは間違いなさそうですね
▼▼▼以下、大切なお知らせです▼▼▼