TOMPKINSブログ

最近のムーブメントについて

TOMPKINS 水戸
こんにちは、TOMPKINS水戸の大橋です

数日前もブログ書いてたじゃんと思った方、いつもブログチェックありがとうございます

確かに前回登場したのが5日のブログですから、3日開けての登板になります

ブログまでアクセスしてくださった方々の為に今日も張り切って時計のことをお話しします



さて、今日のキーワードは上の挨拶からもじって “3日” です

近年は数多くのブランドが自社専用設計ムーブメントを開発・製造していますが、それら新世代のムーブメントの特徴として多くのものに共通して見られることがあります

それは、
「パワーリザーブ(ぜんまい駆動時間)の長期化」
です


2000年代以前は一般的なムーブメントのパワーリザーブは長くても2日間(=48時間)前後でしたが、2000年代に自社ムーブメント開発競争が始まると各社はムーブメントを新規設計する際にパワーリザーブ向上を目指すようになりました

これにはふたつのメリットがあり、ひとつは駆動時間の長期化という誰の目にも明らかで実用的なスペックアップをムーブメントのウリに出来ること

もうひとつはゼンマイがほどけると狂いが出やすくなる機械式ムーブメントにおいて、駆動時間を延ばすことで精度を安定させられること

これらの理由によりそれまでのものよりパワーリザーブが延びたムーブメントが増えていったのです


ちなみに数多くのムーブメントが昔から開発されていたのに何故パワーリザーブの長期化がこの時代特有の流行となったかについては、それがケースサイズの大型化と同時進行していることで理解できます

時計が大きくなると当然ムーブメントもより大きく厚いものが入れられるようになりますが、ムーブメントのサイズに余裕ができた設計士たちはゼンマイの為のスペースを今までより大きくとって、パワーリザーブを延ばすことが出来たというわけです


さて、キーワードに上げた3日とは現在業界標準となりつつある機械式ムーブメントの駆動時間です

例えば、BREITLINGのキャリバー01をはじめとする自社ムーブメント群

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ロングパワーリザーブがお家芸と言えるPANERAIでは3日間駆動のものも複数ラインアップ

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IWCの自社開発クロノグラフもほぼ3日間のパワーリザーブです

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ご覧の通りTOMPKINS取り扱いブランドで見ても複数挙げられましたが、このようにして見ると顔ぶれは時計専業ブランドばかりですね

近年はカルティエやブルガリなど宝飾系ブランドでも自社ムーブメントが作られていますが、実用度の高いロングパワーリザーブを志向するのは時計専業ブランドに多く見られる傾向です


デザインだけではなくムーブメントにもこだわりたい方は、パワーリザーブの視点からも色々比較をしてみるとより満足度の高い時計を手に入れられるかもしれませんよ